わたしの中の『資本論』

*働きながら、『資本論』を勉強しています。

レ・ミゼラブル『民衆の歌』

 

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民衆の歌が聞こえるか? 怒れる者たちの歌が 二度と隷属しない者たちの!

 今日は、わたしの大好きな歌を紹介します。

 映画『レ・ミゼラブル』のラストのクライマックスで歌われる『民衆の歌』です。原作者のヴィクトル・ユーゴーは、1832年6月5日~6日のパリで発生したパリ蜂起を題材にしています。 ちなみにこの蜂起は、2年前(1830年)の7月革命(ブルジョア革命)とその反動のなかでの最後の蜂起です。

 映画の中では展開されていませんでしたが、当時のパリは、コレラが蔓延し、飢饉のなか、民衆の不満や怒りが爆発寸前でした。

 バリケードの中で、政府軍の攻撃を待ち受ける学生たちがプロレタリア(賎民)たちと一緒に歌った歌です。特に心に焼き付いたのは、スラム街で生きるガヴローシュ少年の姿です。バリケードをのりこえて、銃弾を拾いにいって、銃殺されます。

 ここで歌っている民衆は、ほとんどが政府軍の銃弾の犠牲になります。けれど、彼らは、ラストシーンに再び登場し、バリケードの上に立ち上がり、『民衆の歌』を歌います。そうすることで、悲劇に終わらせるだけではなく、虐げられた者たちの未来への希望がこめられているように思います。

 みなさんは、どのように感じるでしょうか?

 

 

民衆の歌   Do You Hear the People Sing?

作詞:BOUBLIL ALAIN ALBERT

作曲:SCHONBERG CLAUDE MICHEL

英訳詞:HERBERT KRETZMER

Do you hear the people sing?
Singing a song of angry men?
It is the music of a people
Who will not be slaves again!

   民衆の歌が聞こえるか?

   怒れる者たちの歌が

     それは民衆の歌う歌

     二度と隷属しない者たちの!

When the beating of your heart
Echoes the beating of the drums
There is a life about to start
When tomorrow comes!

   胸の鼓動が

   ドラムを叩く音と共鳴する時

   新たな暮らしが始まるのだ

   明日が来れば!

Will you join in our crusade?
Who will be strong and stand with me?
Beyond the barricade
Is there a world you long to see?

Then join in the fight
That will give you the right to be free!

   我らの革命に加わらないか?

   次は誰が強くなり共に立ち上がるのか? (共に立ち上がろう)

   バリケードの向こうには

   君たちの待ちわびていた世界があるのだ

   さぁ共に闘おう

   搾取なき自由の王国を創るために!

Do you hear the people sing?
Singing a song of angry men?
It is the music of a people
Who will not be slaves again!

   民衆の歌が聞こえるか?

   怒れる者たちの歌が

   それは民衆の歌う歌

   二度と隷属しない者たちの!

When the beating of your heart
Echoes the beating of the drums

There is a life about to start
When tomorrow comes!

   胸の鼓動が

   ドラムを叩く音と共鳴する時

   新たな暮らしが始まるのだ

   明日が来れば!

Will you give all you can give
So that our banner may advance
Some will fall and some will live
Will you stand up and take your chance?

The blood of the martyrs
Will water the meadows of France!

   君はすべてを差し出してくれないか

   我らの旗を前進させるために

   倒れる者もいれば

   生き延びる者もいるだろう

   立ち上がり チャンスに賭けてみないか?

   この闘いの犠牲者たちの血潮が

   フランスの大地を赤く染めるのだ!

Do you hear the people sing?
Singing a song of angry men?
It is the music of a people
Who will not be slaves again!

   民衆の歌が聞こえるか?

   怒れる者たちの歌が

   それは民衆の歌う歌

   二度と隷属しない者たちの!

When the beating of your heart
Echoes the beating of the drums

There is a life about to start
When tomorrow comes!

   胸の鼓動が

   ドラムを叩く音と共鳴する時

   新たな暮らしが始まるのだ

   明日が来れば!

 *日本語訳は、資料をもとにして、わたしが訳しました。多少、意訳になっています。

 さて、パリの6月蜂起から16年後の1848年、2月革命が起こりました。マルクスの盟友であるフリードリッヒ・エンゲルスは、1848年の革命に関して論じた回顧集では、1832年の蜂起を「6月革命」といっているそうです。すなわち、2月革命は、6月蜂起の戦術的な失敗――性急に市庁舎に向かってしまった点など――を研究し、それをさけたことにより成功した、と論じているそうです。1832年のプロレタリアの闘いは、1848年のマルクスに引き継がれ、息づいています。

 「万国の労働者たちよ、団結せよ!」(『共産党宣言』)の呼びかけは、今、わたしの中で生きています。